当社は古紙100%の原紙を抄造しており、ペーパータオル・産業用紙や紙バンド、紙ひもなどに加工しております。今回は、紙ひものお話です。
紙ひもは一般的に梱包用などに用いられておりますが、当社では農業用紙ひもとして
「マルセンカミロープ」という製品を新生物流㈱様に納品しており、農家さんで誘引紐として使用されております。
今回、ご担当者様とのお話の中で「マルセンカミロープ」の名前の由来をお聞きすることができました。
営業担当をはじめ、当社内でも由来を知らない人間が多く、製品の歴史を知る良い機会となりました。
このような機会を真摯に受け止め、当社製品に対して、これまで培われてきた様々な研鑚やいただいた評価を無駄にしないよう、今後もお客様のご期待に応えられるような製品を製造、開発してまいります。
「マルセンカミロープ」、その由来をご紹介させていただきます。
マルセンカミロープの由来
現在の紺屋製紙㈱名古屋営業所の百瀬巨輝(ももせなおき)さんの祖父百瀬三千太郎(ももせみちたろう)氏が、名古屋市中川区愛知町(現在の澄池町)で始められました。屋号は、百瀬商店。 大倉博進社より紙紐原紙を購入し紙紐を製造販売されていました。
販売に先駆け、販売銘柄を決める時に、自分の名前の三千太郎より“千(せん)”を取り、それに丸を付け“マルセン”としたのが始まりです。
その後、三千太郎氏がマルセンの製造をされますが、高齢となり製造が困難になりかけた頃、若い時に百瀬商店の営業担当であった紙愛知の歴代代表田村允善(たむらのぶよし)氏の主導で紙紐の製造販売を継承することになりました。
1997年に紙紐製造機を新規で㈱紙愛知春日井工場内に設置、製造販売を始める準備を整えます。 販売先も百瀬商店より継承、製造発売元を㈱紙愛知とし、歴代代表二宮克彦氏が“土にやさしい”の文字を新しい製品ラベルに加筆。 また配送・収納の便利さ等を考慮し紙紐20巻を段ボールケースに収めて販売するスタイルを整えたのもこの時です。 この時に商標登録を申請しますが、“マルセン”が使用できなかった為、“マルセンカミロープ”として商標登録しました(現在は、期限切れ未登録)。 また、エコマーク商品がブームにであったのでエコマークを取得したこともあります。
平成になり㈱紙愛知の紙加工の縮小が検討される中、紙紐製造機を山本尊久氏(現会長)が代表を務める紺屋製紙㈱のご厚意により売却。 紙紐製造機は、紺屋ベトナムに設置され、日本から原紙を供給し製造を継続中です。
当社では古紙を再生することで、紙ひもや様々な製品を製造、加工しております。
現在、SDGsやサステナビリティなど環境問題や社会問題に対する概念が問われておりますが、
そのような言葉が聞こえてくる以前からこのような問題に対して前向きに取り組んで参りました。
「再生紙」ができること、今だからできることに改めて目を向けてまいります。